書籍・雑誌

2012年4月27日 (金)

『定家明月記私抄 正・続』 堀田善衛 著 (ちくま学芸文庫)。

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1996年6月 第1刷。

『明月記』そのものは藤原定家が56年の長きに亘って書き綴った漢文日記である。

私が『明月記』それ自体を読むことはこの先もおそらく一生ありえないであろうが、堀田善衛のおかげで概要を知る事が出来る。

世上乱逆追討耳ニ満ツト雖モ、之ヲ注セズ。紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ。

世の中の切ったはったの風聞がたくさん聞こえてくるが、これをいちいち書かない。朝廷が鎌倉を討つったって私の知ったことではない・・・

定家19歳の時のこの文章に堀田善衛は衝撃を受け、古本屋で『明月記』を手に入れたが、この漢文日記に溶け込むにはやはり相当な年月を要したようだ。

源平争乱、京都市中に群盗横行、実朝暗殺、後鳥羽院隠岐配流・・・
動乱の時期に二流貴族として、歌の家に生まれた「美の追求者」として生きねばならなかった藤原定家の息遣いをこの本によって味わってみてはいかがだろうか。

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2012年4月13日 (金)

『後鳥羽院 第二版』 丸谷才一著 筑摩書房。

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2004年9月 初版第一刷発行。

人もをし人もうらめしおぢきなく世をおもふ故にもの思ふ身は

『小倉百人一首』の後鳥羽天皇の和歌である。

『小倉百人一首』を編んだのは平安期から鎌倉期にかけての当代随一の歌人藤原定家である。
その定家が「和歌の好敵手」として一番恐れていた(意識していた)のが後鳥羽天皇(若くして譲位したので「後鳥羽上皇」の時代の方が長い)。

冒頭の「人もをし」の解釈をめぐってこの『後鳥羽院』という本の書き出しで読者の度肝を抜く。
次に、

我こそは新じま守よ沖の海のあらき浪かぜ心してふけ

この歌の解釈についてもまた読者をあっと言わせる。

そして後鳥羽は『新古今集』の実質的な選者である。
そしてその事が丸谷才一をして「日本文学の中心には天皇の和歌がある」と言わせるのである。

何度読んでも飽きない一冊である。
「日本文学好き」なら必ず読んでいただきたい。

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2012年3月14日 (水)

『光速の暗記・勉強法』 永野 彰一著 TAC出版。

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2012年2月1日 第1刷発行。

筆者は現役の早稲田の学生である。
14歳のときに「乙種第4類危険物取扱者」を取ってから18歳になるまでに100の資格を取った。

筆者は「資格は超短期間で取らなければならない」と言う。
確かに時間は有限である。
「いつか資格をとるぞ」では、いつまで経っても何も始まらない。
「いついつまでにとるぞ」でなければならない。

自分もまずひとつ資格にチャレンジしようと思う・・・

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2012年3月 7日 (水)

『「平家物語」愛と滅亡のドラマ』 見延 典子著 (ベスト新書)。

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2011年12月20日 第1刷発行。

「数ある『平家物語』の案内書の中で、わかりやすく、面白く、役に立つものを目指したい。」
「はじめに」より引用。

平家物語の主題は「盛者必衰」、これは世によく知られているところだろう。
著者はさらに突き進めて「救済」こそが仏教文学としての平家物語の最も訴えたいことではなかったかと主張する。

まぁしかし、肩肘張らずに「平家物語観光ガイドブック」として読んでみていただきたい。
写真やアクセス情報なども掲載されている。

著者は私の高校の3年先輩。
お目にかかったことはないが、早稲田の学生の時に書いた『もう頬づえはつかない』がベストセラーになったことで先輩であることを知った。

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2012年3月 6日 (火)

『後白河法皇』 河合 敦著 (幻冬舎新書)。

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2012年1月30日 第1刷発行。

NHK大河ドラマ『平清盛』は3/4放送(第九回)の関東での視聴率13.4%と、相変わらず苦戦しているようである。

『平家物語』は源氏の世になってから書かれたものであるので、平氏は清盛を始め「敵役」となっていることがほとんどだ。
吉川英冶いわく「清盛の人間の良さ、美しさ、日宋文化交流の夢など、私の清盛の方が古典より真実である」
吉川英冶が『新・平家物語』を書いたのは吉野村(現青梅市)である。
そろそろ梅の咲く季節なのだが、今年は3月になっても寒く吉野の梅はまだほとんどが蕾である。見ごろは3月中旬だとか・・・

さて、平家物語の時代において、清盛・義仲・義経・頼朝という面々と朝廷の中心にあって渡り合う「黒幕」というか「影の主人公」というか、そんな存在が後白河法皇である。

大河ドラマファンはもちろん、平安~鎌倉の時代絵巻に興味のある方、日本文学史に少しでも興味のある方へ、

面白くて一気に読んでしまう事、間違いなしの一冊であります。

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2012年3月 5日 (月)

『藤原定家の時代』 五味文彦著 (岩波新書)。

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1991年7月19日 第1刷発行。

王朝文化の全盛期は『古今和歌集』『源氏物語』『枕草子』の頃である、と言ってもいいだろう。

しかし、その約200年後「鎌倉時代初期」にそれらの王朝文学の研究がなされた事が今でも手本となって「王朝文学研究」が続いている。

『新古今集』の初度奉覧(一応の完成。その後幾度も切継があった)が1205年。
古今集の奏上の905年という事からたどれば丁度300年後である。

『新古今集』の選者の一人でもあった藤原定家。
その人の残した日記である『名月記』。
『名月記』やその他資料を分析しながら、定家の生きた時代の文化空間を探ろうというのが本書の主題である。

一度その魅力にとりつかれると、その世界にどっぷりとはまってしまう王朝文学の世界。
『古今』『源氏』「枕草子』はなかなか難しいとしても、『小倉百人一首』を編んだ定家の研究から入るのもおすすめである。

「日本文学史は百余年前まで、この詩人=批評家(藤原定家)の美意識と文学観によって支配されていた」(丸谷才一『新々百人一首』より)。

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2012年2月13日 (月)

羆嵐(くまあらし) 吉村 昭著 (新潮文庫)。

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1982年発行。

大正4年(1915年)に北海道天塩山麓の村で実際にあった出来事のドキュメンタリーである。

6人の命を奪った羆がこの村にもたらした恐怖が生々しく描かれている。

「羆の怖さ」を話として持ち出すときによく話題に上る事件である。

この本を読んだあと、一人の山歩きはクマ鈴無しで歩けません・・・

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2012年2月10日 (金)

『タベイさん、頂上だよ』 田部井淳子著 (ヤマケイ文庫)。

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2012年2月初版。

2000年4月発行の『エベレスト・ママさん』をヤマケイ文庫に収録するにあたり、改題したものです。

ご存知のとおり、田部井さんは「世界初の女性エベレスト登頂者」であります。

記述は9章に分かれていますが、やはり第4章から8章までのヒマラヤとの戦いにグッと引き込まれました。
時間の経つのも忘れ、一日で読んでしまいました。

身長153cmの「小さな巨人」の物語は山好きならずとも是非読んでほしい一冊であります。

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2012年2月 8日 (水)

『ひとつとなりの山』 池内紀著 (光文社新書)。

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2008年10月初版。

ひとつとなりがいい。人気のある山、よく知られた山のひとつとなり。
『日本百名山』などに入ってないお山。
人があまり訪れない。週日だと、めったにこない。だから山も山道も静かである。
 

山高きが故に尊からず、足速きが故にエライのではない。途中のどこかを自分の山頂にして、そこで切り上げてもいいのである。 

(「はじめに」より抜粋)

ドイツ文学者である池内紀がひとりで歩いた20の山をあちらこちらと空想をめぐらせながら、文学・歴史などにも思いを馳せつつ歩く様子がとても楽しい。

とりあげられている山は、

大雪山(北海道)、戸来岳(青森県)、乳頭山(秋田県)、早池峰山(岩手県)、日本国(山形県・新潟県)、那須三山(栃木県)、温泉岳(栃木県)、八海山(新潟県)、男体山(茨城県)、立処山(群馬県)、八丈富士(東京都)、独鈷山(長野県)、秩父御岳山(埼玉県)、篭ノ登山・水ノ塔山(長野県・群馬県)、七面山(山梨県)、燕岳(長野県)、蝶ケ岳(長野県)、雪彦山(兵庫県)、剣山(徳島県)、開聞岳(鹿児島県)

著者60歳を過ぎての登山の話であるから、のんびりと登った山ばかりである。

自分も60歳を過ぎたらこんな山旅がしてみたいが・・・

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2012年2月 6日 (月)

『山なんて嫌いだった 』 市毛良枝著 (ヤマケイ文庫)。

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皆さんご存知、市毛良枝さんの著書である。

市毛さんは現在親御さんの介護に当たられているようで、なかなか山にも思うままには行けない状態のようだ。

私が市毛さんの山好きを知ったのは「エベレスト・ママさん」とキリマンジャロ登頂のTVドキュメントである。

そんな話もこの本に出てくるので、市毛ファン・ちょっと昔からの山ノボラーには懐かしいものがあると思う。

誰もが一度は通る「山に行きたくて行きたくて仕方ない日々」や「山にハマるきっかけ」などが読みやすい文章で綴られている。

山の空気と同じくらい、爽やかな本である。

まだ読んでいない女子がいたら、是非是非読んでいただきたい。

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